川全部が調節池。
2016年1月に訪ねました。権現堂調節池。高さは15m未満ですが、洪水調節や利水の機能がある多目的な調節池です。調節池を見る前に中川の右岸側にある県営権現堂公園を訪ねます。古くに作られた権現堂用水や権現堂堤を中心として整備されています。
用水を作るにあたり経緯などが刻まれた石碑です。
現在堤には桜が植えられ、春には桜の名所となっているようです。
駐車場やトイレなども整備されています。
歩いていると、新しい石碑もありました。こちらは中川の整備について刻まれています。
カッパ先生が親切に中川の歴史や、源流がないことを教えてくれます。
先生です。
カッパ博士というらしい。
こちらが、権現堂調節池の設備です。手前が中川とゲートの向こうが権現堂川です。
さて、調節池に行く前に、土木遺産認定のプレートを見つけました。
桜の季節には堤全体が桜色になるのかな。
調節池と公園はこのように向き合っています。左岸右岸なので当然ですが・・。
このような配置になります。
堤を610往復するとここから山口までの距離と同じだそうです。
こちらが土木学会選奨土木遺産「権現堂川用水樋管群」です。煉瓦造りで保存状態がよいそうです。
行幸堤の解説です。明治天皇がその労に感じ入り、堤の仕事に携わった人を刻んで残すよう言われた際に費用を下賜されたとあります。
その石碑はこちらになるようです。この地は古くから洪水に対応するための堤が築かれてきた歴史が残っているようです。
それでは、権現堂調節池に行きます。中川の左岸川にある権現堂川を利用して作られた多目的貯水池。権現堂川の上流は利根川となっており、下流が中川になります。利根川の洪水の一部を貯め込む?と思っていました。
道路にはこのように案内看板があるので迷うことはないでしょう。
権現堂調節池の碑。
管理所かと思ったら、給排水機場です。給排水?
この給排水機場は左岸にあります。右岸にあるのが管理所のようです。
湖を望みます。権現堂川全部が調節池として機能しているようです。湖に見えるのが大噴水でしょうか?
この大噴水「スカイウォーター120」という名前で、120m水が吹き出るのかと思いましたが、120フィート約36.6mだそうです。
貯水池の側にはバルブで有名な前澤工業の工場があります。
大きなゲートが見えます。あれで放流を行うようです。
こちらにも改修の記念碑があります。
湖の名前は行幸湖(みゆきこ)です。
中川の下流に架かる橋から調節池のゲートを望む。
天端は車両の通行が可能です。
ゲート室。左岸側の2門と右岸側の3門は形状が違うようです。
天端から調整池を望みます。網場と水質浄化装置が見えます。
右岸側のゲート。
ゲート室はガラス張りなのでよく見えます。
ゲートの高さは余りありません。
幅20m、高さ2.6mだそうです。
ジェル構造ローラーゲートです。
左岸方向を望みます。
こちらが管理所になります。
埼玉県が管理しています。
中のパネルでやっと理解できました。上流利根川の洪水調節ではなく、下流にある中川の洪水を調節するようです。下流から湖に水を取り込むことにより、中川の洪水調節をするようです。水が足りないときは、上下流にある給排水機場により水を出し入れすることができるようです。
アオコについてもパネル展示されています。ここを読んでからダムカードを頂きました。
洪水調節は上流から貯めるのではなく、下流になる中川から調節池に水を入れて洪水調節する権現堂調節池でした。周辺は公園として整備されているので桜の季節に訪れたいですね。